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協力者インタビュー

流通部門

コメリユニオン

目黒 絵美 さん

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元気だけはどの店舗にも負けない!

私は福島県にあるコメリハード&グリーン喜多方松山店で、パートで店長をしています。お店はアルバイト2名と、パートが私を含めて4人、社員が1人。コメリは全国に1,213店舗がありますが、パート店長と社員担当者の組み合わせはめずらしいケースです。

お客さまからはよく「このお店は元気がいいね」と言っていただけます。私も、この元気な雰囲気を大切にしています。

そのために、例えば開店前に行う朝礼では、あえて少しだけふざけています(笑)。仕事の話は軽く済ませて、あとは世間話をして、みんなで笑う。みんなの表情がほぐれて、「じゃあ今日も頑張ろうね!」という空気になったところで開店したいからです。元気だけはどの店舗にも負けないようにしたいですね。

ホームセンターは商品について質問されることが多いので、お客さまとのコミュニケーションを大切にしています。中には、カゴを持って、つきっきりで店内を1周することも。

10年以上このお店にいるので、常連さんの中には私を名指しで来てくださる方もいらっしゃいます。「目黒さん、辞めないでね。異動しないでね」と言われると、「他に引き取り手がないからずっとここにいますよ」なんて答えています(笑)。

私は働きはじめたときから「お客さまに頼ってもらいたい」という思いがあったので、今はそれが叶って、やりがいを感じています。

私にとって組合はパワーの源

組合活動に参加しはじめたのは、当時の委員長から「パートタイム委員会というものを始めるので参加してみませんか?」と声をかけられたのがきっかけ。現場で働く人の声を会社に届ける組織だと言われたので、「絶対やる!」と答えました。それまでは現場の声が会社に届いていないと感じることもあり、とても悔しかったので(笑)。

委員会は、最初の頃はお店の愚痴を言い合うだけで、これでは何も成長しないと思いました。しかしその後は風向きが変わり、だんだんと学びの多い「勉強会」になっていったんです。

組合活動を始めて、意識が変わりました。UAゼンセンの会議や研修に参加したり、執行委員会に出席すると、気づきと学びがいっぱいあるんです。UAゼンセンで他の組合の人とも関わるようになり、横の繋がりができたことで、大げさかもしれないけど、「世界が広がった」気がします。

UAゼンセンで知り合った友人には、パート専従で頑張っている人もいれば、私と同じ非専従で頑張っている人もいる。仲間が増えると楽しいし、みんなと話すことで、仕事へのやる気とパワーをもらっています。

とにかく私は組合活動が楽しいだけなんです。組合活動は休日に行うので、よく「休みの日まで活動して大変じゃない?」と言われるんですが、ぜんぜん大変ではありません。逆に、組合活動が仕事のストレス発散になっています。組合活動に行ってお店に戻ってきたら、「よし、今日も頑張ろう!」と気合いが入る。だから「みんなもやってみたら?」と言いたいですね。

娘にも「お母さんはお店で仕事してるときより、組合活動に出かけてるときのほうがもっとイキイキしてる」と言われました(笑)。娘とはよくお互いの職場の話をします。娘の会社は組合がないんですよ。だから「自分で声を上げていかないとダメよね」「組合作れば?」なんて話をしています。組合で労働法などを学んだことで、自分だけでなく、子供たちの働き方についても気にかけるようになりました。

現場のみんなのために、言い続けることで変えていきたい

オルグ活動で他のお店を回るのですが、つくづくエリアや店舗によって困りごとが違うんだなと実感します。コメリは全国に1,213店舗あるので、組合員の声を聞くにも回りきれていないのが現状。もっと声を聞きたいのに、申し訳ない気持ちでいっぱいです。だけど、オルグ活動を通じて一人でも多くのパートさんたちに「一人じゃないんだよ」「一緒に頑張ろうね」という気持ちが伝わればと思います。

私が、なぜこの活動をしているかというと、頑張っているパートタイマーのために何かしたいから。いつも現場で一生懸命に働いているのを間近で知っているので、みんなのために私にできることはなにかを考えています。ただ、「現場を背負っている」とは思わないようにしていますね。自分が好きでやっていることなので。

会社って誰かが声を上げないと変わらないので、私は執行委員会のときも1人で声を上げています。たぶん委員長たちは「また始まったよ」とウンザリしていると思いますよ(笑)。だけど、そんなの気にせずに言い続けます。言い続けることでしか変えられないし、言い続けることできっと変わると信じていますから。

(2022年9月現在)

まいばすけっと労働組合

福留 裕真 さん

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仕事に悩んだとき、上司からもらった言葉

私は文京・板橋ゾーンで「ゾーン政策サポート」という役職を担っています。店長やエリアマネージャーはお店の売上を上げる「攻めの業務」ですが、私は「守りの業務」です。従業員が働きやすい環境を整えるため、日々、お店を回っています。

以前は店長をしていたので、従業員とのコミュニケーションに難しさを感じたこともありました。まいばすけっとは1~2店舗を社員1人、店長1人で運営しています。営業時間が最大17時間の中、店長が在店しているのは8時間。どうしてもコミュニケーション不足が生じ、うまくいかずに悩んだことがあります。

そんなとき、信頼する上司から「君は本当に人に興味を持っているのか?」と言われてハッとしました。当時は2店舗で55人くらいの従業員と関わっていましたが、その55人全員に興味を持っていたかと言われたら、正直に言うと自信はありませんでした。それ以来、従業員や同じエリアの店長と話したあとは、会話の内容をメモするようになりました。たとえば、好きな球団がある方なら、次に会ったとき「昨日、〇〇が勝ちましたね」などと話しかける。店長職から離れた今もメモは継続し、一人ひとりに合わせた話題で話すように心がけています。

「今の君には会社は変えられない」と言われ、組合活動に参加した

とても印象的なできごとがあって、入社してまだ2ヶ月くらいのとき、同期から仕事の悩みを聞いたんです。それを聞いてなんとかしなきゃいけないと思い、当時のトレーナーに「会社のこういうところを改善すべきじゃないか」と伝えたんです。そしたら「今の福留くんじゃ変えられないよ」と言われました。「福留くんはまだ店長にもエリアマネージャーにもなっていない。会社にものを言う力がないんだよ」「頑張って出世して、会社を変えられる存在になるしかないんじゃないの?」と。ショックでしたが、そのとおりだと思いました。

その後、店長になってからも、改善したいのに自分の力不足でそれができないもどかしさがありました。そんなとき、信頼する上司から「変えたいことがあるんだったら組合活動に参加したほうがいいよ」と誘われ、組合に入ることにしたんです。

組合では10月末に定期大会をおこなうのですが、たくさんの人が参加していて、同じ思いを持つ人がこんなにいるんだ、と驚きました。トレーナーに言われた「今の福留くんじゃ変えられないよ」には「福留くん1人じゃ変えられないよ」という意味もあったのかな、なんて。新しい仲間ができたことは励みになりましたね。

それからは支部の役員としてお店を回り、組合員の声を聞く活動を始めました。そこで、今まで見えなかった課題をたくさん目の当たりにし、自分が見ている世界がいかにちっぽけだったかを思い知りました。組合員の声を聞くときは、「日頃溜まっていることをぜんぶ吐き出してください」とお願いしています。そうして集めた声は、問題点として会社に提案したり、組合でできることを実現したりしています。

UAゼンセンで他の労働組合と関わるようになって、「他所もこういうことで悩んでいるんだ」と知りました。正直に言うと、組合役員になったばかりの頃は、UAゼンセンが上部団体であることも知らないぐらい何も知識がありませんでした。けれど、UAゼンセンと関わるようになって、さまざまなことを学びました。私たちが見ているのはまいばすけっと社内のことだけですが、イオンはイオングループ全体のことを見ているし、UAゼンセンはさらに広い業種を見ている。非常に視座が高いというか、見ている範囲が広く、その解像度も高いと思います。

「貢献」が仕事のモチベーション

私は人との繋がりを大切に、仕事をしていきたいと思っています。

仕事って、どうしたって人と人が関わり合うんですよね。お客さまがいて、従業員がいて、エリアマネージャーと店長たちがいて。さらに納品してくれるドライバーもいますし、その商品を作っている方々もたくさんいる。私が仕事で関わる人たち全員が楽しく仕事できたらいいなと思うし、もしもまだ楽しさを見出せていない人がいたら、一緒に見つけてあげたい。

私が働いていて喜びや満足を感じることは、誰かに貢献できたときです。例えば、お客さまに「いつも買ってるパンが品切れなんですけど」と言われたとき、「すみません、品切れです」と言って終わりにするのか、「近くの店舗まで(走って)取ってくるのでお待ちいただけますか?」と言うのか。そういった数字に表れないところで人に貢献できたとき、自分の中で大きな喜びや満足を感じるんです。

もちろん、誰かからお礼を言われたら嬉しい。だけど、他人からの評価は自分ではコントロールできないので、自分自身の喜びを大切にしています。

(2022年9月現在)

メガネトップ労働組合

鹿野 澪 さん

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市場のように活気あるお店を目指して

私はメガネ販売チェーン「眼鏡市場」の店長として働いています。メガネやコンタクトレンズ、補聴器といった商品の販売や、お客さまのメガネの調整などの接客業務、それから注文いただいたメガネの加工作業などを行っています。

普段の仕事の中で一番大事にしていることは、【笑顔と元気】ですね。これはお客さまに対してもスタッフに対しても心がけています。店名が「眼鏡市場」なので、その名の通り市場みたいに活気があるお店を作れたらと。暗い顔をしているよりは活気がある方がいいですよね。

新卒で入社して渋谷の店舗に配属されて、そこから責任者(店長)に昇進し、4店舗くらい異動して今に至ります。主任(店舗の二番手)という過程を経ずに、下っ端からいきなり責任者になったので、店長になった当初は大変でした。やっと店長の仕事に慣れてきたなと思ったら今度は新店オープンの仕事を任されたりして、ずっと忙しいです(笑)。
ただ、ゼロからお店を作っていくというのは貴重な体験でした。集客のために率先してビラ配りや呼び込みもやりました。

スタッフと店長の違いは、自分だけ勉強してスキルを磨くのではなく、「お店全体として良くなるか」を考えること。なので店長になってからは、スタッフを指導したり自分のノウハウとかを教えたりすることを意識しています。

お客さまともスタッフともきちんとコミュニケーションをとる

お客さまとのコミュニケーションで大切にしていることは、一人ひとりにきちんと時間をとることです。特に印象に残っていることは、前の店舗で補聴器を購入されたお客さまのことです。耳が遠くなりスムーズに会話ができなくなったというご本人さまと娘さまがご来店されて、聴力を測ったり視聴をしてもらったりといった対応をしました。その時、お客さまが「すごい、聞こえる」と泣いてすごく喜んでくださって、それは本当に嬉しかったですね。

今の店舗に異動するときにお客さまへお電話とお手紙を送ったのですが、お電話で話したときは娘さまのほうが「丁寧に対応してくれてよかったです。異動されるのがすごく寂しいです」と泣いてしまって、胸が熱くなりました。きちんと対応してよかったなと思いました。お客さまから「ありがとう」と言ってもらえるのは、やっぱり大きなやりがいの一つですね。

店長になってからは、お客さまの反応だけでなく、スタッフが店舗の方針と同じ方向を向いて仕事に取り組み、その成果が出たときにもやりがいを感じるようになりました。
今の店舗には9名のスタッフがいて、平日はだいたい5名、休日は6名でシフトを組んでいます。仕事が楽しくないとモチベーションも上がらないので、まずは楽しく仕事ができるような環境づくりを意識しています。特に、些細なことでも褒めることは大事にしています。それから、挨拶やお礼をしっかりすること。今はベテランの方も若い方も関係なくコミュニケーションが取れているので、たぶん楽しく働いてくれているんじゃないかなとは思います。

新しいことにチャレンジするたびに視野が広がっていく

組合活動に参加したのは最近のことなので、まだまだわからないことが多いんですが、参加してみてイメージがだいぶ変わりました。もともと組合活動には「堅い」イメージを持っていました。賃金のことを国会みたいな雰囲気の場で話し合うみたいな感じですかね。でも実際はフランクに、身近なトピックで活動しているんだなと。具体的なことだと、私も加入しているUAゼンセンの共済は、一般的な保険よりも掛金が抑えられ、可処分所得が増えるのが魅力的ですよね。

「いかに現場の労働環境を良くできるか」という課題に対し、現場にいるからこそわかることもたくさんあります。私のように組合に対して堅いイメージを持つ方も多いと思いますが、実際に行ってみて雰囲気を感じてもらうことが一番良い気がします。私も人に誘われて参加しましたし、声をかけてもらわなかったらずっと参加しなかったかもしれません。

これまで何度も新しい業務、新しい役職にチャレンジしてきて、その度に視野が広がっているのを感じます。組合の活動自体はまだ関わりが浅いですが、視野を広げるひとつのきっかけになっています。視野を広げるという意味では、今後もっと大きい店舗で店長をやって、接客や販売のノウハウ、楽しく仕事をしていくためのコミュニケーションの取り方を広く伝えていきたいと思っています。その先は、さらに上のポジションであるブロック長にもチャレンジしたいですね。

(2022年9月現在)

ヤマダホールディングスユニオン

野口 光一 さん

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転勤のたび、周りに支えられてきた

私は高崎駅にある店舗で、インテリア担当をしています。ソファーやダイニングセットやベッド、カーテンや絨毯など、生活に必要な家具や住居用品の販売を行っています。インターネットで買い物ができる時代だからこそ、お客さまに「お店で買い物をするとこんなに楽しい!」と思ってもらいたい。だからお買い物の間も楽しい時間を過ごしていただけるように、クスっと笑えるような小話を交えながら接客をしています。

私は大学の4年間、ヤマダデンキが当時やっていたフランチャイズの書店でアルバイトをしていました。大学を卒業するとき、私がアルバイトを始めた頃に店長だった方が別の店舗で店長をしていて、「一緒にやってみないか」と誘われたんです。そのご縁もあり社員になりました。

なので、私はヤマダデンキの社員にも関わらず、家電製品の販売経験があまりないんです。今はインテリアだし、その前は書籍、その前はブランド腕時計など。テレビやエアコンや冷蔵庫を販売した経験がほとんどないという、特殊な経歴です(笑)。

この業界は転勤がつきもので、私も最初の転勤で大阪へ行き、次に東京へ行きました。その後、ふるさと人事で群馬県に帰ってきたんです。

大阪の店舗では、「LABI」という形態の最初の店舗ということで、ルールがまだ定まっていませんでした。そのため何もかもが初めてで、やり方がわからない。周りにいた経験者の方々に助けられて、なんとか乗り越えました。

次の池袋の店舗では、初めて時計やブランド品を扱うことになりました。管理職として行ったのですが、私は時計と電池が別売りということすら知らなかったんです。「こんなに無知な奴が上司なんて!」と嫌われても仕方ない状況なのに、みんなが一から教えてくれたおかげで、私もブランド品の販売ができるようになりました。本当に人に恵まれています。

労働組合の活動は「恩返し」

私は今まで、周りに助けられてやってきました。だから池袋の店舗を離れるとき、「直接の上司ではなくなるけれど、みんなが楽しく仕事できるように何かする。それが何かはわからないけど…」と約束をしたんです。そして群馬に帰ってきて、目の前にパッと現れたのが労働組合でした。休日やお給料が充実すれば喜ばない人はいませんよね。だから労働組合の活動がみんなへの恩返しになると思い、組合役員に立候補しました。

この建物の中だけでも141名の組合員がいます。アンケート調査などを実施する際、これだけの人数を私1人で機能させるのは無理です。けれど、各階にいる分会長が協力してくれたこともあり、全体で8割から9割の方にご協力いただけました。そういう数字を出せたことは、とても達成感があります。

ヤマダデンキの労働組合の特徴は、管理職の皆さんが組合の話をよく聞いてくれるところです。例えば、月に1回、安全衛生委員会を実施していますが、私が出席したとき、会社が新しく導入した「エリア限定社員」という制度を誤解している方がいたんです。それで私がエリア限定社員について説明したら、皆さんに喜んでいただけました。それ以来、当店の安全衛生委員会では「労働組合からの連絡」の時間を設けてくれるようになり、一時金や業績評価制度の改正などについて、直接お知らせできるようになりました。非組合員の管理職の方とも連携がとれています。

私は現在「中央執行委員」を任っています。1店舗だけではなく、たとえばエリア全体など、大きな規模で協力できるような体制を整えていくことのが今後の目標です。

今回、大塚家具とヤマダデンキが一緒の会社になったわけですが、大塚家具にも「SSUA大塚家具IDCユニオン」という労働組合があります。そのため「こっちの組合ではこうしています」「今後、わからないことがあったら聞いてくださいね」というやり取りをしているところです。このように、他の組合の人と一緒になったときでもコミュニケーションがしやすいのはきっと、UAゼンセンでの経験が生かされているからです。

自分、家族、仲間。すべて大切だから順位はつけられない

私にとって仕事は、もちろんすごく大切ですが一番ではありません。何が一番大切かと言ったら、それは自分や家族、仲間の人生です。語弊がある言い方かもしれませんが、お客さまに楽しんでお買い物していただくのも、結局は自分たちのためにやっていることです。

組合活動を通じて、今まで関わってきた皆さんに恩返しをしたいと思っています。だけど、もしも頑張りすぎて自分が苦しくなってしまったら、それは誰も喜びません。何のために仕事しているのか、何のために組合活動を頑張っているのかと言ったら、結局は自分のためなんです。

自分のため、家族ため、仲間のため。ここに順位は付けられません。どれかに偏ることなく、すべてを大切に守りたい。そのためにも、まずは自分自身の人生を大切に楽しもうと思っています。

(2022年9月現在)