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京王プラザホテル労働組合

松田 歩未 さん

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自分のお店だけでなく、京王プラザホテルを好きになってほしい

朝、出勤したらパンやケーキを陳列して、キャッシャーを立ち上げて開店準備をします。10時にお店がオープンするのですが、スタンバイが1時間だけなので、スタッフ同士で手分けして声を掛け合って、スムーズに作業できるように心がけています。オープンまでの1時間はいかに効率良く、無駄なく動けるかが勝負で、その時間も好きですが、やっぱりオープンしてからお客さまがいらっしゃって「いかがですか」「これ、おいしいですよ」とお話している時間が一番楽しいです。

私は自分がこのお店の商品の一番のファンだと思っているので、その良さを素直に伝えていきたいんです。「おいしいですよ」 の一言に尽きるんですけど、どう「おいしい」のかイメージが湧かないと思うので、こうですよ、ああですよ、と自分なりに感じ取ったことを伝えていきたいなと思っています。

月並みですが、お薦めした商品を買っていただき「おいしかったです」と言って、また来てくださるというシンプルな出来事がすごく嬉しいです。2回目、3回目と通ってくださるのはもちろん、ちょっと欲を出すなら、自分のお店だけでなく他のレストランや京王プラザホテル自体を好きになってもらえたら一番嬉しいですね。

組合があることのありがたさも伝えていきたい

組合役員になったきっかけは先輩からの推薦というか、なんとなく「次はあなただよ」という雰囲気がありました。組合役員の皆さんに推薦いただいたこともあり「せっかくだからやってみようかな」と参加しました。

以前、先輩が組合役員をしていたとき、何気ない会話の中で「京王プラザホテルって今こういう立ち位置なんだよ」と、組合の集まりで得てきた情報をよく話してくれたんですよね。仕事のモチベーションが上がらないときに、ちょっと前向きになれるようなアドバイスをたくさんしてくれていたので、私も後輩たちにそういったアドバイスができればと思っています。「絶望しないで大丈夫だから、組合でもこんな対策をしているし」と伝えることでホッとする部分もあるし、頑張っていて損はないのかなと思えることもあると思うので。

特に外資系のホテルでは組合がないところもあるので、働く人の権利を守ってくれる、働く人の声を届けられる組合があることは恵まれていることなんだよというのは伝えられたらいいなと思っています。

いまは後輩が組合役員をつとめてくれているんですけど、すごく頼もしくて。「組合からの情報です」ってマメに連絡をくれるんですよね。それはみんなのモチベーションアップに繋がっているかなと思います。

お客さま、スタッフ、組合員。人とのつながりが自分を形作っている

組合の活動に参加すると、いろんな部署の人、いろんな年代の人と会う機会が多く刺激を受けます。以前、女性だけの集まりに参加したことがありますが、建設会社とかバス会社で働いている方たちがすごくかっこよくて。京王のグループ会社でどんな職業があるのか、どんな仕事をしているのか、楽しく勉強もできました。レストランや宿泊の方から仕事のアイデアを教えてもらって、「じゃあうちの部署でもやってみようか」と自分の仕事に活かすこともあります。

私にとって仕事とは、“社会と繋がる”こと。育児休業で一度仕事から離れたときに、「社会との繋がりがないと無理だな」って心底思ったんですよね。働いていろんな人と繋がることで自分を保っているというか。それがお客さまであったり、スタッフ、組合の方でもあると思うんですけど。大変なことももちろんありますが、誰かと一緒に頑張る体験や、そこから生まれる繋がりがないと元気になれない、自分らしくいられないと感じています。

(2022年9月現在)

ダイナムユニオン

佐藤 洋子 さん

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お客さまの気持ちを考えつつ、言うべきことはしっかり伝える

私の仕事はパチンコ店の接客・ホール管理が中心です。

朝は店舗経理の作業から始まり、パチンコ・スロットの遊技台の点検確認作業や、日々のメンテナンス作業、また、日によっては、販促展開の作業をすることも。 ダイナムの特徴として、お菓子や景品アイテムの種類が多いので、納品があったときは景品を片付けるのも一苦労ですが、当店のクルーはスムーズに展開してくれますね。

この仕事で大変なことは、遊技態度がよくないお客さまに注意をしなければいけないことです。パチンコやスロットはどうしても感情が動く遊びなので、その気持ちは理解し、お客様の要望をしっかりと聴く事を大事にしていますが、その一方で、やめていただきたいことは毅然と伝えるようにしています。

ただ、嬉しいこともあって、お店の常連の方から「佐藤さんが癒やしだよ」と言われたときは「私、癒やしですか!?」と喜んじゃいましたね(笑)。お客さまとのなにげない会話に心が休りますし、この仕事をやって良かったなと思える瞬間があります。

組合活動をはじめて「どこに異動しても大丈夫」と思えた

アルバイトから正社員に登用されて1年ほどが経ったとき、毎日同じことの繰り返しで物足りなくなり、漠然と「なにか違うことをしたい」と思うようになりました。それを上司に相談すると「組合の職場リーダーをやってみない?」と誘われて、引き受けました。それが組合活動を始めたきっかけです。

職場リーダーとは、会社と組合と従業員とのパイプ役。会社と組合の話し合いの内容を従業員に共有したり、従業員の意見を吸い上げて組合や会社に伝えたりします。

ダイナムは接客において新しい評価制度の導入を控えています。アイドルグループの総選挙みたいに、お客さまから直接評価される制度です。今までにない試みで、職場からは不安の声も上がる中、私にできるのはみんなの声をきちんと聞くこと。個別でじっくり話せる機会を作り、お菓子などもつまみながら話しやすい雰囲気作りを心がけています。そうすると思いがけない意見を聞けることがあるんですよね。

ダイナムユニオンの茨城支部は、支部役員にフレンドリーな方が多く、ギャグを言ったりして場を和ませてくれます。また、「クルーの方はこういうところが気になると思うんですが、どうでしょう?」と相手の目線になって考えてくれる方が多いので、人に恵まれていると思いますね。組合活動を始めて人脈が広がり、「茨城県内ならどこに異動しても大丈夫だな」という気持ちになりました。

だから組合活動を始めてよかったと思いますが、問題もあります。たとえば、私は組合活動をやりたくて始めたけれど、各店舗に1人選出しなければいけないので、気が進まずにやっている方もいるんですね。組合の仕事はけっしてラクではないので、たとえば上限の任期を設けるなど、仕組みについては改善の余地があると思っています。

組合だけではできないことが、UAゼンセンならできる

コロナ禍で、パチンコ業界に対する世間の風当たりは強くなりました。最初の頃、茨城県はそこまで感染者数が多くなかったのでバッシングも東京の話だと思っていましたが、じわじわとその流れが茨城にもやってきて…。働きにくいし、それで離職していく人が増えてしまう不安はありました。けれど、UAゼンセンという大きな組織を介して、国や関係省庁に対して要請や要望を出すことができた。それはダイナムユニオンだけではできなかったことです。

コロナ禍で休業期間があり、営業再開したあとも出勤日数に制限ができて、収入の面で不安があったんですね。けれど、助成金が出たおかげで、休業期間も満額のお給料が出ました。そのあたりは、組織内議員の川合孝典さんをはじめとした方々の働きかけのおかげなので、とても感謝しています。

また、UAゼンセンはカスタマーハラスメント(カスハラ)問題にも取り組んでくれています。パチンコ店には、従業員の扱いがひどいお客さまもいらっしゃいます。大声で怒鳴られたり、お店の前でずっと拘束されたなんて話もあります。だから、カスハラを議題にしてくれるのはとてもありがたいです。

パチンコ業界の働き方を変えるとなると、ダイナムだけではできないことも多いと思います。たとえば、遊技台って50kgを超えるものもあってとても重いんですね。そのため遊技台の入替作業には必ず男性のスタッフを確保しなければいけないし、腰を痛める従業員も出てくるので離職につながりかねない。そういったことを改善できるよう、UAゼンセンにも引き続き働きかけていただけたらと思います。

(2022年9月現在)

ノテユニオン

桐山 拓也さん さん

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福祉は“普通に暮らせる幸せを創造する”

私は介護職員として、早番・遅番・夜勤のシフト勤務で働いています。主な仕事は利用者の皆さんの起床や服の着替え、食事、排せつなど生活の介助です。利用者一人ひとりで基礎疾患も違いますし、認知症の度合いも違いますし、その方の性格ももちろんあるので、その人にあったアセスメント、声掛けの方法を考えなければいけないなと日々思っています。

私は母子家庭で育ったので、子どもの頃から福祉に携わる機会が多かったんですよね。進路を考え始めてから、自分の近くにある「福祉」って一体何なんだろう? と感じるようになり、大学に進学して福祉を学ぶことにしました。福祉に対する考え方や、今社会にどんな福祉が必要なのかなど、福祉の基礎は在学中に学びました。

特に影響を受けたのは、卒業生の方が講義をする授業で聞いた一言です。その方の「福祉とは普通に暮らせる幸せを創造することだと思います」という言葉が、大学生の自分にずどーん!と来たんですよね。「福祉ってこれだ!」と感じて、その言葉を軸に大学生活を過ごしました。

ノテ福祉会で働きたいと思ったのは、就職活動で見たノテの企業理念に「普通に暮らせる幸せを創造する」と書いてあったからです。その言葉が先ほどの卒業生の方の言葉と重なって、「ここだ!」と思いました。そして面接を受けて入社が決まり、今に至ります。

仕事=自分のレベルを上げる場所

夜勤では一人で20人の利用者の皆さんに対応しなければならないなど大変なこともありますが、どのように生活を楽しんでもらえるかを考えることにはやりがいを感じています。
この前は天気が良かったので、利用者の皆さんにテラスに出てもらってお菓子パーティーというか、お茶会を開いたんです。喜んでもらう姿を見るとやはりうれしい気持ちになりますね。

社会人4年目なのですが、年々できることが増えている実感があります。社会人1年目のときは、与えられた、教えてもらった業務をこなすので精一杯。2年目からは業務に加えて利用者の皆さんのことを考える余裕ができ、3年目からはそれにプラスして、少し職員のことにも目を向けられるようになりました。今は施設長から別のお仕事を任せていただく機会も増え、年々成長できているのかな、と感じます。

私にとって仕事は、自分のレベルを上げる場所であり、自己肯定感を高めてくれる場所。仕事を任せられて、それを成し遂げて褒めていただくことで、自己肯定感が上がるというか、社会人としてのレベルがひとつずつ上がっていくような気がします。

組合は、労働者の味方になってくれる

組合活動には職場の上司に声をかけてもらったのをきっかけに参加しました。私にとって労働組合は「労働者の権利を守り、労働者の味方になってくれるところ」。まだ組合活動の知識は浅いですが、具体的には組合に関する勉強会をやってみたり、他の事業所の方と労働環境について意見交換をしたりしています。

組合の執行委員になって最初の頃は「執行委員なんだからしっかりしないと!みんなの権利を守らないと!」と構えすぎてしまっていたときもありました。そのせいで、シフトに入る人が少ない日に、メンバーに「誰か入れないか話し合える?」と言いづらくなってしまったこともありました。今は徐々に折り合いがついてきましたが、やっぱりシフトのことは難しいですね。必要最低限のスタッフの人数が決まっているので、少ないスタッフの中でどうしても残業でつながないといけない日もあって。「この勤務はちょっときついです」と相談を受けることもあります。

ただ、だからこそUAゼンセンのような大きな組織に加盟することの重要性を感じています。介護業界は、介護保険制度で事業所の人員配置数や介護報酬が決まっているので、単組で解決できることが限られています。特に、介護報酬が給料に直結する業界なので、UAゼンセンの力を借りることで、さまざまな社会政策改善に向け取り組みやすくなると思います。

組合の執行委員になったことで視野が広がり、仕事に対する考え方も大きく変わりました。これからは「組合って何をやっているかわからない」という方に、組合の活動を知るための機会をもう少し多く提供していきたいなと思います。

(2022年9月現在)