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大切なのは「顔合わせ」、「心合わせ」、「力合わせ」

坂田副会長

私の担当は「総合サービス部門」です。私はフードサービス(外食)で部会内の交流がありましたが、部門となると9部会とさまざまな産業があります。医療介護福祉部会であったり、生活関連部会であったりと、さまざまな部会、産業がある中での活動を進めることになりました。

坂田副会長

本当にお互いのことが、なかなかわからない中でのスタートでした。初年度から「顔合わせ」、そして「心合わせ、力合わせ」をして活動していく中で、10年たった今になると、少しそういう基盤ができてきたのかなと思っています。

産業政策で言いますと、お互いの産業が全くわからない中で、他の2部門よりもスピードが遅くなるとは感じています。お互いの違いを理解しながらなので、なかなか難しい部分もある。とはいえ、働く労働者のためということで進めていった経緯があります。

八野副会長

やはり、それだけ多様な業種、業態や産業が集まったり、いろんな働く人たちが集まったりしてくると、綱領というものがとても重要になってくる。それは運動の理念なので。

八野副会長

UAゼンセンの綱領の最初に書いてある「友愛と信義に基づく連帯」が重要で、これが運動の基盤の精神になる。それを今の時代に合わせ、これからの未来に合わせたときに、どういうふうに運動していくのか。基本理念を忘れずにやっていくことが、これからの運動の発展に結びつくと思います。

2013年参院選の苦杯を越えて

松浦会長

2013年は組織統合してすぐ参議院選挙で、川合孝典さんの選挙でした。統合してすぐですから、どちらかというと(統合前の)UIゼンセン同盟が進めてきた運動を継続するかたちでやってきたわけです。その結果として141万人の組合で14万票も集めることができず、川合さんを落選させてしまった。当時の私は書記長で、そのことは非常に強く、ある種トラウマ的に残っています。そして、この2013年の選挙の敗北が、私の今の運動の考え方の根底になっていると思います。

選挙後に、何がいけなかったのかと考えてみると、当時の戦略は、さまざまな部門や職場形態なのに全て同じ方法で支援者を獲得して、支援者の皆さんの投票行動につなげようとしていた。どの部門、どの業種でも同じやり方でやってきたわけです。「うちの職場ではこのやり方はやりにくい」という話があっても、「組織で決めたことだから、これに従ってやってください」という対応になっていました。その結果、選挙が近づく中で、やらされた感が積み上がってきたと思いました。

松浦会長

それで、それぞれの職場から見たときに、やりやすいであろうやり方を部門ごとにチョイスできる形にしていくべきじゃないかという考えに至りました。例えば、長年やっている組合と、去年、一昨年できた組合といった違いを分かりながら、前進していく必要があるのではないかと。

そうして、各組合が自ら目標をたてて実践する形に切り替えたわけです。

当時、選挙をよく知る先輩たちから「そんなやり方でうまくいくはずないじゃないか」という話もされました。私としては、新しい多様な産業、多様な働き方、多様な職場で運動を進めていくためには、とにかくこれをやってみないと、奔走しました。そして、なんとか次の選挙では19万票、2019年選挙では26万票を集めるまでになりました。

同盟体の活動は「同じ目的のために同じ行動をとること」ですが、それぞれの組合がそれぞれの職場の組合員に対してよりアプローチしやすい方法を考えて、実践することが大切だと感じました。これは選挙だけではなく、さまざまな活動に生かすことができました。UIゼンセン同盟の多様性を生かして、トータルとして成果を出していくことにつながっているのだと思います。

そのためにはやはり、お互いに違いを認め合うことが大事なのです。「なぜ同じやり方をしないんだ。」ではなくて、「あなたの組合だったらそういうやり方が良いのか。なるほど。では、お互いにがんばろう」ということが重要なのだと思いますね。