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「フレッシュパック」や「介護共済」導入、ジェンダー、地域活動も

松浦会長

組織が大きくなったメリットでは、規模の経済を生かした活動があります。UAゼンセンのさまざまな共済活動は、加入者が増えてくるにしたがって制度内容もどんどん良くしていくことができました。1つは、若手層、新入社員の若い方に、いくつかの共済をセットにしてみんなが加入頂ける「フレッシュパック」です。

最近では「介護共済」があります。UAゼンセンに加盟している多くの組合の職場特性上、家庭における役割と仕事を両立している方々が大変多く、介護離職を減らすために介護共済を導入できました。規模が大きい産別だからこそできていることもあると思います。

組織統合していくときに、いわゆる「男女共同参画」、「ジェンダー(平等)」も議論しました。その時、当時のJSDの皆さんの活動の方がUIゼンセン同盟より進んでいたので、ジェンダー平等はJSDのやってきておられる流れを引き継ぎながらやっていくことにしました。

例えば、男女共同参画委員会の委員長は代々書記長が務めます。これはUIゼンセン同盟ではなかったですね。私は当時、書記長でしたから、この委員会を「僕がやることになるのか」と思いましたけど、やっぱりやって良かった。携わっておられる皆さんの思いを学びました。まだまだ道半ばではありますが、1つ1つ、より良いものを新しい組織で運営していくことができたのも統合効果ではないかと思います。

松浦会長

また、もう1つJSDがやってこられたのは「地域活動」です。これもUAゼンセンでやっていくことになりました。多くの地域で熱心に取り組んで頂いておりますが、地域社会に根ざした業態の方が非常に多いものですから、地域社会に貢献していく、地域のことを勉強して何が私たちにできるんだろうかと自発的に考える。地方議員の皆さんとも連携をしながら、これも引き継いで大変良かったなと思っています。

そういう意味では、組織が統合して片意地を張ることでなくて、「そっちはそういう活動していたの! それは良いことだから、うちもやってみよう。新組織でもやってみよう」と化学反応を起こせたからだと思いますね。

「2025中期ビジョン」策定

八野副会長

UAゼンセンになって自分の役割として「2025中期ビジョン」を(2016年に)作らせて頂きました。自分にとっても非常に大きな節目であると思っています。目指すべき社会をどうするのかとさまざまな議論をしてきました。一人ひとりが人間らしく、心豊かに生きていく持続可能な社会」と位置付けました。

その中でこだわったのが「一人ひとり」というところです。組合員の価値観も多様化しており、「一人ひとりの組合員をしっかりと見た労働運動にしたい」という考え方です。さまざまなチェンジをしていかなくちゃいけない中で、量的な拡大から質的な拡大へチェンジする社会で、人口減少を受け入れてどういう社会を作っていくのかも考えていくことを前提として、4つの挑戦を出してみました。

八野副会長

やはり労働運動は基本的な精神を守りながら、時代に合わせたさまざまなチャレンジが必要だろうということで、4つの挑戦を作りました。今主流になっていますが、それが持続可能な社会に結びついていることが非常に重要だということで。今1つのUAゼンセンの運動のベースになってきていると感じています。

松浦会長

八野副会長が大変に苦労して、努力して作られた中期ビジョンでした。これを神棚にあげてはいけない。確実に運動に落とし込んでいくんだと、今でもその後の運動方針は常に中期ビジョンに沿って、この路線の中で合っているかを確認しながら組み立て続けています。